東北魂ビールプロジェクト2026で展開された、16ブルワリーによる同一レシピのIPL。
先日、15液種を飲み比べた記事を公開しましたが、今回その最後の1杯となるスプリングバレーブルワリーのIPLを飲見に行ってきました。
スプリングバレーの1杯で見えた全体像
SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)
東北魂IPL | ABV:6.0%

スプリングバレーブルワリーが手がけたIPLは、酵母にW-34/70を使用。口当たりはホップのフルーティな香りが広がり、非常に爽やかな印象です。その一方で、後半にはしっかりとした苦味が現れ、ラガーらしいキレのある喉越しも感じられます。
フルーティさと苦味、そしてラガーのキレ。そのバランスが心地よく、これまで飲み比べてきた東北魂IPLの流れの中で、設計の共通点を改めて感じさせてくれる1杯でした。
同じレシピだからこそ見える違い

今回の東北魂ビールプロジェクト2026では、同一レシピをもとに各ブルワリーが醸造し、さらに酵母違い(W-34/70とSH-45)で展開されました。
前回の15種飲み比べでは、ブルワリーごとの個性や酵母による違いがはっきりと感じられましたが、こうして16種すべてを通してみると、「同じ設計をベースにしながら、それぞれの環境や技術によって多様な表現が生まれている」という点がより明確に見えてきます。
水質や設備、発酵管理、ホップの扱い方。そうした違いが、それぞれのビールに個性として表れていました。
プロジェクトの広がりと役割

東北魂ビールプロジェクトは、震災後に東北のブルワリーが立ち上げた取り組みですが、現在ではキリンビールやスプリングバレーブルワリーも参加しています。
クラフトビールの枠を超えて、多様な醸造環境や技術が交わることで、
・品質向上
・技術の共有
・ビール文化の発展
といった側面でも、このプロジェクトの意義は広がり続けています。
16種すべてを飲んで見えたもの

16種すべてを飲み終えて感じたのは、「同じレシピでも、ここまで違う表現になるのか」というクラフトビールの面白さです。そして同時に、違いがあるからこそ、共通の設計思想も見えてきます。今回のスプリングバレーのIPLは、その流れの中で、全体像を俯瞰して感じさせてくれる1杯でした。
東北魂ビールという文化
震災から15年。東北のブルワリーが協力しながら醸し続けてきたこのプロジェクトは、単なるコラボレーションではありません。そこには、技術を共有する文化、ビールで恩返しをする意志、そしてクラフトビールの未来が詰まっています。
16杯目となるこの1杯を通して、改めてその意味を感じることができました。









