神戸で開催された“売り手”主役のクラフトビールイベントを“飲む”
2026年2月28日から3月1日にかけて開催された「KOBE BEER JAMBOREE 2026(KBJ2026)」。
ビアパブや酒屋、インポーターといった“クラフトビールを届ける側”が主役となり、各出店者が3液種のみを持ち込むというスタイルで構成されたイベントです。
第1回から第3回にかけて、出店店舗とそのセレクトを見てきました。それぞれの店が何を選び、どのような関係性を見せていたのか。その輪郭は十分に見えてきた気がします。
では実際に、その中から何を飲んだのか。
滞在は1日。飲みたいビールが目白押しで、できることなら全部飲みたい。ただ、飲める量にも限界があり・・・。
最終回となる本記事では、そのなかでも、各お店を回った中で、「ここでしか飲めない」「店主の強いおすすめ」「やっぱり好きなHazy」という独自基準で選び、飲んだ8液種を取り上げます。
会場で実際に飲んだ8液種
十二屋(新潟)
GANGI BREWING × 十二屋 / WHOLE BOX
Modern Pils / 5.0%

KBJ2026のためにGANGI BREWINGと十二屋がコラボ醸造した、「何杯でも飲みたいモダンピルスナー」がキャッチコピーのビール。十二屋店長が大好きなホップ「ネクタロン」のみを使用し、トロピカルでもあり、白桃のような香りから入り、はちみつトーストのような甘くて香ばしい口当たりが広がる印象のラガーの要素と現代的なホップを融合させたビール。1杯目から良いセレクトのビールでした。
BEER SLASH(沖縄)
FILL BREWING / Sweet Pineapple O’Mine(Slash N’ FILL)
Hazy IPA / 6.6%

KBJ2026のためにFILL BREWINGが特別に醸造したBEER SLASHオリジナルビール。沖縄県産パイナップルを使用し、Hazy IPAらしいホップのアロマとパイナップルがジューシーでトロピカルなビールに仕上がりました、とのこと。パイナップルが前面に出ながらも、しっかりと苦みもありちょっと贅沢感あるヘイジーでした。
BEERKICHI(福岡)
YUYA BOYS × 鬼伝説ビール / Yuya Boys IPL ~Jamboree SP Ver.~
West Coast IPL / 4.5%

YUYA BOYSと鬼伝説ビールのコラボ醸造でKBJ2026用のスペシャルバージョンのビール。スタイルはIPLだが、West Coast IPAのようなホップのアロマ感とすっきりとした苦みが印象的なビール。コラボらしくどちらのいいところも感じられ、一気に飲み干しました。
DANKY BEER STORE(愛知)
ATSUMI PENINSULA BREWING / Atapo
NZ Lager / 5.0%

Nelson Sauvin、Motueka、Riwakaの3種のニュージーランド産ホップを使ったラガー。ラガーの軽快な飲み口ながらホップのさわやかな香りが非常に印象的。直前に飲んだIPLとは印象が異なり、ホップのアロマ感がうまくローテーションして訪れ、さまざまな表情を感じられるビールでした。
Bar FUKURO × Canal Brewing(東京)
CAMADO BREWERY × Bar FUKURO × Canal Brewing / Midnight Sun
Hoppy Citrus Saison / 5.0%

カマドブリュワリーとBar FUKURO、Canal Brewingによる限定のコラボ醸造ビール。ホップはシトラ、副原料にカマドブリュワリーのある釜戸町のレモンを使用。本来は夏の喉の渇きを癒すためのセゾンを、乾燥するこの季節の、喉を潤す1杯として醸造した冬のセゾン。セゾン酵母由来のスパイシーさに、レモンの爽やかな香りと、心地よい酸味が調和したビール。「喉を滑るように飲める軽快な仕上がり」とのことで、実際に飲んでみるとまさにその感覚。冬のセゾン、癖になりそうな1杯でした。
Bar FUKURO × Canal Brewing(東京)
Egret Brewery × Bar FUKURO × Canal Brewing / Daylight Moon
Fruit Ale / 5.0%

イーグレブルワリーとBar FUKURO、Canal Brewingによる限定のコラボ醸造。ビールカクテルの「バレンシア」を表現したフルーツビール。ジューシーながらしっかりと苦みもある大人な飲み口のビール。鮮やかな色からもオレンジ感を感じたが、飲んでみるとまさにオレンジ。でもしっかりビールな面を見せてくれて、おいしい一杯。
BEER CRUISER(鳥取)
SESSION’S BREWERY / Crew’s Campfire
Hazy Pale Ale / 5.5%

松江アウトドアクラブとのコラボビールで、BEER CRUISERがレシピの段階から考え抜いた“キャンプに合うビール”。白ブドウや柑橘のようにスッキリした口当たりだが、クリーミー。松やトロピカルな香りが口から鼻までいっぱいに広がる、というヘイジーペールエール。”キャンプに合う”とのことで、ソーセージと一緒に楽しみましたが、確かにぴったり。燻製にも合いそうな一杯。
White Seed(函館)
White Seed × 蛍火醸造 / from bay side / West Coast IPA / 7.2%

White Seedの店主であり、ファントムブルワーでもある平松さんが青森の蛍火醸造で醸造したWest Coast IPA。クリアな飲み口でグレープフルーツのような苦みを感じつつも、シャープさもある、とのこと。ウエストコーストらしく確かにクリアな口当たり。苦みもホップ感ある苦みというよりは説明の通り柑橘にある苦みのような印象。オーラスにふさわしい、とてもおいしいビールでした。
セレクトに表れる、それぞれの店の個性

今回取り上げた8杯のその多くが、KBJ限定ビール、あるいはコラボレーションビールでした。
それは、各出店店舗がこのイベントに向けて「何を見せるか」を明確に持ち込んでいたことの表れです。普段の営業の延長ではなく、この場のために用意された一杯。その背景には、ブルワリーとの関係性や、店としての意思が存在しています。
3液種という制約の中で選ばれたビールを実際に飲むことで、その意図がより立体的に見えてくる。KOBE BEER JAMBOREEは、セレクトを見るイベントであり、そのセレクトを体験するイベントでもありました。
また、各ブースで立たれている店員の皆さんが非常に明るく、気さくで、ビールの説明も非常に滑らか。さすが毎日のように店頭に立ち、ビアギークからビール初心者の応対をしている“ツワモノたち”を感じるひとときでした。ビールを楽しむだけではなく、店舗の人たちとコミュニケーションがとれるのも、KBJの良いところですね。
次回は、どんなビール、どんな店舗が神戸に集結するのか !?
また来年の開催が非常に楽しみです。








