渋谷の地下に、「こんな場所があったの?」と足を止めたくなるクラフトビールのスポットがあります。
その6タップにつながるのは、日本各地のブルワリーから届く個性豊かなものばかり。
今回は、マネージャーのFreddyに聞いたお店のコンセプト、取材当日のタップリスト、実際に飲んだ2杯、そして持ち込みフードと合わせる楽しみ方をご紹介します。
渋谷の地下で、仕事モードをほどく

渋谷でクラフトビールを飲む。
そう聞くと、にぎやかな通り沿いの店や、音楽と話し声でいっぱいの空間を思い浮かべる人も多いかもしれません。けれど、渋谷にはもう少し落ち着いて、仕事帰りの気持ちを「ふっ」とゆるめながら一杯を楽しめる場所もあります。
今回訪れたのは、「カンパイスタンド SHIBUYA」。渋谷の喧騒から少し離れ、地下へ降りた先にある、国産クラフトビールと日本のお酒を楽しめるビア スタンドです。
店内に入ると、まず感じるのは空間の余裕です。木の温かさとコンクリートのすっきりした質感が合わさり、明るさはありながらも落ち着いています。カウンターに一人で座ってもいいし、2~3人で高めのテーブルを囲んでもいい。渋谷にいるのに、少しだけ呼吸が深くなるような場所です。
マネージャーのFreddyとは、BrewDog Bar Roppongi時代からの長い付き合い。変わらないフレンドリーさで迎えてくれるのも、この店に足を運びたくなる理由の一つです。
カンパイスタンド SHIBUYAは、日本のお酒にフォーカスした店。タップには日本のクラフトビールが6種類。さらに国産ジンやジャパニーズウイスキーもあります。ただお酒を出すだけではなく、その背景にある造り手の話や地域の個性も伝えていきたい。Freddyは、そんな場所としてこの店を考えています。
もうひとつ大事なのは、気分に合わせて使い方を変えられること。一人なら、カウンターでゆっくり。仕事終わりに、少しだけオフモードになる。友人となら、ハイテーブルを囲んで乾杯する。クラフトビールをきっかけに、話が自然に広がっていく。
そしてカウンターの向こうには、Freddyがいます。

Freddyは、いつでもとてもフレンドリー。クラフトビールに詳しい人には、ブルワリーやホップの話までしてくれます。詳しくない人には、普段どんなビールを飲むか、すっきりした味が好きか、フルーティーな味が好きか、といったところから一緒に選んでくれるので助かります。
日本語でも大丈夫。英語やスペイン語でも話せるので、海外から来た友人を連れて行く店としても使いやすいはずです。
つまり、ここでは「よくわからないから選べない」という不安が、あまりありません。迷ったらFreddyに聞けばいい。これだけで、初めての店に入るハードルはぐっと下がります。
今日つながっていた6種類のビール

この日のタップは6種類。どれも日本のブルワリーのビールです。
(クラフトビールのタップリストは時期によって入れ替わります。ここで紹介するのは取材当日のラインナップです。来店前に、当日のタップリストを公式サイトでご確認ください)
1. RIKRI BREWING「GHOST」
スタイル:Kölsch Style
アルコール度数:4.4%
軽く、ホップも強すぎない一杯。Freddyがクラフトビール初心者にすすめるなら、まずこれだと言います。最初の一杯として安心できるタイプ。
2. Derailleur Brew Works「WHITY 2470 LONELY BASEMENT」
スタイル:Wheat IPA
アルコール度数:8.5%
ピーチとテキーラを使った個性派。この日のFreddyのおすすめとして後ほど紹介。
3. GRANDLINE BREWING「PONZ MAGIC」
スタイル:Ponzu Sour Ale
アルコール度数:3.0%
ミツカンぽん酢の爽やかな酸味と、ほんのりした甘みが重なるビール。料理と合わせて楽しみたくなる一杯。
4. RIKRI BREWING「DOGGG RACE」
スタイル:Hazy IPA
アルコール度数:7.0%
クラフトビール好きにはおなじみのヘイジーIPA。トロピカルでハーバルな香りがあり、控えめな苦みでバランスよく飲み進められるタイプ。
5. RIKRI BREWING「Skit」
スタイル:DH Yuzu Sour
アルコール度数:3.5%
ゆずの皮を使った、軽やかなサワーエール。このあと実際に飲んだ一杯。
6. RIKRI BREWING「Wallflower」
スタイル:West Coast IPA
アルコール度数:6.5%
明るい柑橘感とシャープなドライさがあり、IPA好きには気になる一杯。
Freddyに「初心者にすすめるなら?」と聞くと、答えは「GHOST」でした。軽くて、ホップもやさしく、クラフトビールに慣れていない人でも飲みやすいから。
一方で、クラフトビールが好きな人には、少し変わったものをすすめたいとのこと。この日なら、ポン酢を使った「PONZ MAGIC」、そしてピーチとテキーラを使った「WHITY 2470 LONELY BASEMENT」。
飲みやすさだけでなく、「こんなビールもあるんだ」と思える一杯に出会えるのも、クラフトビールの楽しさです。
1杯目は、ゆずがやさしく香る「Skit」

まず自分で選んだのは、RIKRI BREWINGの「Skit」です。
RIKRI BREWING:Skit
スタイル:DH Yuzu Sour
アルコール度数:3.5%
グラスに注がれた色は、明るいゴールド。香りは強く主張するというより、ほんのりとゆずが寄り添う感じです。口に含むと、最初にやさしい酸味が挨拶してくれます。すっきりしていて、甘みはほんの少し。最後に軽い苦みがすっと顔を出し、「さよなら、また来てね」と言ってくるような後味です。
とにかく飲みやすい。
サワーエールと聞くと、酸っぱさを身構える人もいるかもしれません。でもこの一杯は、酸味が鋭くありません。ゆずの爽やかさがありながら、全体はとても軽やか。晴れた休日の午後に、外で飲みたくなるようなビールです。
仕事帰りに飲むなら、一日の緊張をゆっくりほどいてくれる一杯。渋谷で少し立ち止まりたい夜に、こういうビールから始められるのはうれしいです。
好きなフードを持ち込める自由さ

カンパイスタンド SHIBUYAのおもしろいところは、ビールだけではありません。店内には軽いつまみがあります。個人的には、ごぼうチップスのように、軽くつまめてビールの邪魔をしないものがよく合うと思います。
さらに、外で買ったフードを持ち込むこともできます。Freddyによると、持ち込み料は1組5名まで550円、6名以上770円。しかもこれは来店当日の料金なので、最初に持ち込んだフードだけでは足りなくなって、途中で別のお店に買いに行って戻ってきても、追加料金はかかりません。その日のうちなら、何度買いに行って持ち込んでも料金は同じ。かなりお得で、自由度の高いシステムです。
そこには、「クラフトビールを中心としたお酒を楽しんでほしい」という店の思いがあります。食事を店内だけで完結させるのではなく、渋谷の街で好きなものを選び、それを日本のクラフトビールと合わせる。Freddyも、初めて来る人への楽しみ方として、このBYOF(Bring Your Own Food)のスタイルをすすめてくれました。
この日は、近くの「Kebab Chefs ケバブ シェフス 渋谷」で、ケバブサンドとケバブポテトを買って持ち込みました。チキンのケバブサンド、ミックスのケバブサンド、そしてミックスのケバブポテト。さらに店内でポップコーンも合わせます。
ゆずの爽やかな酸味がある「Skit」は、ケバブのソースや肉の香ばしさとよく合います。重たい料理をすっと軽くしてくれるような感覚があり、口の中をリセットしながら次の一口へ進めてくれます。
「今日は何を持ち込もうか」と考えるところから、もう楽しさが始まっている。これは、普通のビアバーとは少し違う魅力です。
もちろん、手ぶらでふらっと来てもいい。でも、渋谷で好きな一品を買ってから地下へ降りると、自分だけのビール時間を作ることができます。
2杯目は、Freddyおすすめの「WHITY 2470 LONELY BASEMENT」

2杯目は、Freddyにおすすめを聞いて選びました。
「クラフトビールが好きな人にすすめるなら?」と聞くと、Freddyはまず「おもしろいものがいい」と話してくれました。飲みやすさだけで選ぶのではなく、普段あまり出会えない味や、少し驚きのある一杯をすすめたい。そんな考え方です。
この日の候補として挙がったのは、ポン酢を使った「PONZ MAGIC」と、ピーチとテキーラを使った「WHITY 2470 LONELY BASEMENT」。どちらも、ただの定番スタイルではありません。クラフトビール好きなら「それ、どんな味?」と聞きたくなるタイプです。
その中で、今回Freddyが選んでくれたのが、Derailleur Brew Worksの「WHITY 2470 LONELY BASEMENT」です。
Derailleur Brew Works:WHITY 2470 LONELY BASEMENT
スタイル:Wheat IPA
アルコール度数:8.5%
Freddyの説明は、とても丁寧でした。
最初の一口では、テキーラ由来の強さが少し前に出る。でも、飲み進めるとだんだんスムーズになっていく。そしてNelson Sauvinホップから、白ワインのような香りや、少しブドウを思わせるニュアンスが感じられる。そんな流れで味わうビールだと教えてくれました。
実際に飲んでみると、その説明がよくわかります。
グラスの色は、やや濃い橙色。香りには、うっすらピーチの甘いニュアンスがあります。ただし、口に含んだ最初の印象はかなりキリッとしています。やさしく迎えてくれるというより、まずテキーラの存在感が「来たな」と感じさせる一杯です。
そこから少し時間が経つと、ピーチ由来のほのかな甘みが出てきます。苦みや酸味は強くありません。さらに後ろから、白ワインやブドウを思わせる香りがふっと立ち上がります。
これは、最初の一杯というより、少し店に慣れてから楽しむものかもしれません。何杯か飲んで、気持ちがほどけたあとに、こういう変化球を小さいサイズで試す。そんな楽しみ方が似合います。
Freddyのレコメンドが良いのは、単に「これがおすすめです」で終わらないところです。なぜそれをすすめるのか、どこに注目すると楽しめるのかを、ちゃんと教えてくれる。だから、少し攻めたクラフトビールでも安心して試してみようと思えます。
もしこのクラフトビールを「飲みやすい」と自然に言えたら、その日はかなり良い夜になっているはずです。
一人でふらっと、次は誰かと

カンパイスタンド SHIBUYAは、一人でも入りやすい店です。
カウンターに座って、今日のタップを眺める。少し迷ったらFreddyに聞く。小さいサイズで一杯試して、気に入ったらもう一杯。スマホを見てもいいし、軽く会話をしてもいい。仕事帰りに家へ帰る前、少しだけ仕事モードをほどくにはちょうどいい時間です。
でも、一人で来て楽しい店は、誰かを連れて来たくなる店でもあります。
2~3人で来れば、6タップの中から違う銘柄を選んで飲み比べができます。クラフトビールが好きな人には、PONZ MAGICやWHITY 2470 LONELY BASEMENTのような個性派をすすめても楽しい。クラフトビールに詳しくない人には、GHOSTのような軽い一杯から始めてもらえばいい。
Freddyは、一人で来るならカウンターでゆっくり、自分のペースで。友人と来るなら、ハイテーブルでグラスを合わせながら、にぎやかに。そんなふうに、同じ店でも過ごし方を変えられると教えてくれました。
クラフトビール以外にも、国産ジンやジャパニーズ ウイスキーがあります。全員がクラフトビール好きでなくても誘いやすいのは、かなり大きなポイントです。
Freddyに聞けば、次の一杯が見えてくる

クラフトビールの楽しさは、種類が多いことです。けれど、種類が多いからこそ、最初は迷います。苦いのが好きなのか。フルーティーな香りが好きなのか。軽いものから始めたいのか。少し変わったものを試したいのか。
カンパイスタンド SHIBUYAでは、その迷いも楽しみの一部になります。Freddyに聞けば、今の気分に合う一杯を一緒に探してくれるからです。初心者には、飲みやすい一杯を。ビール好きには、少し驚きのある一杯を。そこに、その日のタップリストと、持ち込んだフードと、渋谷の夜が重なります。
一人でふらっと立ち寄れる。けれど、帰るころには、気の合う仲間にも教えたくなる。カンパイスタンド SHIBUYAは、そんな場所でした。
Freddyにおすすめを聞きながら、日本のクラフトビールを飲み比べる夜は、きっと話が自然に広がっていきます。
渋谷で少し時間が空いたとき。仕事帰りに、家へ帰る前に気持ちを切り替えたいとき。まずは一人で、カウンターに座ってみるのがおすすめです。そして気に入ったら、次は誰かと。
「渋谷に用事があるから寄る店」ではなく、「Freddyにおすすめを聞いて、次の一杯を探しに行きたくなる店」。カンパイスタンド SHIBUYAは、そんな場所になりそうです。
【店舗概要】
店舗名:カンパイスタンド SHIBUYA
住所:東京都渋谷区渋谷3-2-1 北國ビル B1F
アクセス:JR渋谷駅新南口から徒歩6分
営業時間:平日17:00~23:00(L.O. 22:30)/土曜15:00~21:00(L.O. 20:30)
定休日:日曜
支払い:キャッシュレスのみ(クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など)
公式サイト:https://kanpai-stand.com/index.html
公式Instagram:https://www.instagram.com/kanpai_stand_shibuya/
※当日のタップリスト:時期によって変わるため、来店前に公式サイトで確認してください
※持ち込みフード:可。持ち込み料は1組5名まで550円、6名以上770円。当日中なら追加の持ち込みでも追加料金なし
今回持ち込んだフード:Kebab Chefs ケバブ シェフス 渋谷
Google マップ:https://maps.app.goo.gl/Do5miPEWnMXjxaCX7








